調剤薬局を辞めたい薬剤師へ|後悔しない転職の判断基準と成功の全手順【2025年版】

調剤薬局 辞めたい

「調剤薬局を辞めたい」と悩んでいる薬剤師の方へ。人間関係、給与、業務量など、辞めたい理由は人それぞれです。しかし、感情的な判断で退職すると、転職後に同じ悩みを抱える可能性も。

本記事では、厚生労働省の統計データをもとに、調剤薬局薬剤師の離職理由、辞める前に試すべき対処法、転職を決断すべきタイミング、そして成功する転職の全手順を解説します。

調剤薬局薬剤師の離職率と退職理由|データで見る実態


調剤薬局薬剤師の離職率は平均的|約15%が年間で離職


厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果」によると、薬剤師を含む医療・福祉業界の離職率は15.3%でした

出典:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果」

全産業平均の15.0%と比較しても、大きな差はなく、平均的な水準です。

辞める前に試すべき5つの対処法


「辞めたい」と思っても、すぐに退職するのは早計かもしれません。まずは現状を改善できないか、以下の対処法を試してみましょう。


①信頼できる上司・先輩に相談する


一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することで、配置転換や業務分担の見直しなど、問題解決に動いてもらえる可能性があります。


②異動・配置転換を申し出る


大手チェーン薬局であれば、店舗異動によって環境を変えられる可能性があります。人間関係の問題や通勤時間、処方箋枚数の多さなどが理由なら、異動が有効です。


③働き方を変える(雇用形態・勤務時間の調整)


正社員からパート・アルバイトへの変更や、時短勤務制度の利用で、ワークライフバランスを改善できます。


④スキルアップ・自己研鑽に注力する


専門薬剤師・認定薬剤師の資格取得や外部研修への参加で、仕事へのモチベーションが回復することがあります。


⑤休職・有給休暇の取得で一旦距離を置く


心身の疲労が蓄積している場合、一度仕事から離れることで冷静な判断ができるようになります。

転職を決断すべきタイミング|こんな職場は今すぐ辞めるべき


対処法を試しても状況が改善しない場合、または以下のような「ブラック薬局」の特徴に当てはまる場合は、転職を真剣に検討すべきです。


即座に転職すべき「ブラック薬局」の10の特徴


パワハラ・モラハラが横行(人格否定、無視、過度な叱責)
サービス残業が当たり前(残業代未払い、持ち帰り仕事)
慢性的な人手不足で一人薬剤師(休憩なし、有給取得不可)
調剤ミスを隠蔽するよう指示される
給与の未払い・遅延が発生
社会保険に加入させてもらえない
極端に離職率が高い(求人が常に出ている)
経営者・管理薬剤師のワンマン経営
コンプライアンス意識が低い(薬歴改ざん、不正請求)
心身の健康を害している(うつ症状、不眠、出勤前の吐き気)


転職を決断する前のチェックリスト


□ 現在の悩みは、転職しなければ解決できないものか?
□ 上司や人事に相談したか?
□ 対処法をすべて試したか?
□ 転職後、同じ悩みを抱えないという確信があるか?
□ 次の職場で実現したいことが明確か?
□ 家族や身近な人に相談したか?
□ 経済的な準備はできているか?
□ 「辞めたい」という気持ちが3ヶ月以上続いているか?
すべてにチェックが入れば、転職を決断する準備が整っています。

調剤薬局から転職する際の選択肢


転職先①:別の調剤薬局


調剤業務は好きだが職場環境に不満がある場合に最適。複数薬剤師体制で処方箋枚数が適切な薬局を選びましょう。


転職先②:ドラッグストア


年収アップを目指す人におすすめ。OTC販売も経験でき、スキルの幅が広がります。ただし、シフト制で土日祝日出勤があります。


転職先③:病院薬剤師


専門性を高めたい、チーム医療に携わりたい人に最適。病棟業務や医薬品情報管理など幅広い経験を積めますが、給与は調剤薬局より低い傾向です。


転職先④:企業薬剤師(製薬会社・CROなど)


土日祝日休みを希望する人におすすめ。管理薬剤師、DI業務、学術、臨床開発などの職種があります。求人数は少なく転職難易度は高めです。


転職先⑤:派遣薬剤師


高時給で自由な働き方を希望する人に最適。勤務条件を自分で選べますが、契約期間終了後の不安定さがデメリットです。

転職を成功させるための5ステップ


ステップ1:自己分析と転職の目的を明確にする


なぜ今の職場を辞めたいのか、次の職場で実現したいことは何かを整理しましょう。


ステップ2:薬剤師転職サイト・エージェントに登録する


転職エージェントは非公開求人へのアクセス、職場の内部情報提供、給与交渉の代行など、転職成功に不可欠なサポートを提供してくれます。


ステップ3:求人を比較検討し、応募する


給与・賞与、勤務時間・休日、職場環境、福利厚生、転勤の有無などをチェックし、複数の求人に応募しましょう。


ステップ4:面接対策と内定獲得


よく聞かれる質問(自己紹介、退職理由、志望動機、長所・短所、逆質問)への回答を事前に準備しましょう。退職理由はネガティブな内容をポジティブに言い換えることが重要です。


ステップ5:退職交渉と円満退職


退職の意思は1〜2ヶ月前に伝え、引き止めには毅然とした態度で対応しましょう。引き継ぎをしっかり行い、円満退職を目指します。

よくある質問(FAQ)

Q転職回数が多いと不利になりますか?
A3年以上の勤続経験があれば問題ありません。ただし、1年未満での転職を繰り返している場合は不利になる可能性があります。
Q転職活動は在職中と退職後、どちらがいいですか?
A 原則として在職中に転職活動を行うべきです。収入が途絶えず、焦らずに転職先を選べます。
Qブランクがある場合、転職は難しいですか?
A薬剤師はブランクがあっても転職しやすい職種です。理由を明確に説明し、復職支援制度がある職場を選びましょう。

まとめ

 

調剤薬局を辞めたいと感じたら、まず冷静に現状を分析し、対処法を試してみましょう。それでも改善しない場合や、ブラック薬局の特徴に当てはまる場合は、転職を真剣に検討すべきです。

薬剤師は資格職であり、転職市場での需要も高いため、適切に準備すれば成功の可能性は十分にあります。転職エージェントを活用し、自分に合った職場を見つけて、充実したキャリアを築いてください。

まずはキャリアの可能性を知る相談から

キャリア相談・面談依頼はこちらから
監修 薬進キャリアサポート代表エージェント
キャリアコンサルタント

田井 靖人

2013年摂南大学法学部を卒業後、不動産業界で土地活用事業に従事。
2019年から医療人材業界へ転身し、薬剤師と医療機関双方に寄り添う採用支援に携わる。
現在は薬剤師が“自分らしく働ける環境”を広げるべく、現場のリアルやキャリアのヒントを発信。 座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。どんな経験も糧に変え、薬剤師の未来を支える言葉を届けている。

>まずはキャリアの可能性を知る相談から

まずはキャリアの可能性を知る相談から