薬剤師の転職は何回までOK?適正回数と転職成功のポイントを徹底解説

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薬剤師として転職を考えているけれど、「これまでに何度か転職しているから、次の転職は不利になるかも…」と不安を感じていませんか。転職回数が多いことで書類選考や面接に影響が出るのではと心配される方も少なくありません。本記事では、薬剤師の転職回数について平均データや業界の実態を踏まえながら、転職回数が多い場合でも成功するためのポイントを詳しく解説します。

目次

薬剤師の平均転職回数はどれくらい?データで見る実態

 

薬剤師の転職回数について、まずは実際のデータを見てみましょう。

薬剤師の4人に3人が転職経験者

薬剤師を対象とした調査によると、転職経験が一度もない薬剤師は全体の約26%にとどまり、逆に言えば約74%の薬剤師が少なくとも1回以上の転職を経験しています。これは他の医療職種と比較しても高い転職率といえます。

転職回数は1〜2回が最多

転職経験者の中で最も多いのは、転職回数が1〜2回の薬剤師です。具体的には、転職1回が約23%、2回が約19%となっており、合わせると転職経験者の半数以上を占めています。つまり、薬剤師業界において1〜2回の転職は決して珍しいことではなく、むしろ一般的な範囲内といえるでしょう。

年代別に見る転職回数の傾向

年齢を重ねるにつれて転職回数は増加する傾向にあります。20代では0〜1回、30代では1〜2回、40代では2〜3回、50代以上では3〜4回程度が平均的な転職回数となっています。これは、ライフステージの変化やキャリアアップの機会が年齢とともに増えることが影響しています。

転職回数が多いと判断される基準とは

 

では、具体的に何回から「転職回数が多い」と見られるのでしょうか。年齢や転職先の業種によって基準は異なります。

20

代の場合

20代で3回以上の転職がある場合、採用担当者から「転職回数が多い」と判断される可能性があります。20代は社会人としての経験が浅い時期であり、短期間での複数回の転職は「すぐに辞めてしまうのではないか」という不安を抱かせる要因となります。

ただし、第二新卒として最初の1〜2年で転職する場合や、やむを得ない理由(家族の介護、配偶者の転勤など)がある場合は、この限りではありません。

30代の場合

30代では、転職回数が3回を超えると多いと見られる傾向があります。この年代はキャリアの中盤にあたり、専門性を深めたり管理職を目指したりする時期です。頻繁な転職はキャリアの一貫性を欠く印象を与える可能性があります。

しかし、スキルアップや専門分野を広げるための計画的な転職であれば、回数が多くても前向きに評価されることがあります。

40代以降の場合

40代以降は、転職回数が4〜5回程度であれば許容範囲内と考えられることが多いです。長い職業人生の中で、様々な経験を積むことは自然なことと受け止められやすくなります。

ただし、短期間での転職の繰り返しや、同じ理由での転職が続いている場合は、年齢に関わらず懸念材料となる可能性があります。

転職先の業種によって許容される転職回数が違う理由

薬剤師の転職回数がどの程度影響するかは、転職先の業種によって大きく異なります。

調剤薬局・ドラッグストアの場合

調剤薬局やドラッグストアは常に人手不足の状態にあり、採用のハードルが比較的低い傾向があります。そのため、転職回数が多少多くても、基本的な薬剤師スキルがあれば採用される可能性は高いです。

特に地方の調剤薬局では薬剤師不足が深刻なため、転職回数よりも「すぐに働けるか」「長く働いてくれそうか」が重視されます。ただし、極端に転職回数が多い場合や、短期間で頻繁に転職を繰り返している場合は、詳しい理由を聞かれることがあります。

病院の場合

病院薬剤師への転職は、施設の規模や種類によって難易度が大きく変わります。

大規模な急性期病院や国公立病院では、中途採用の枠が限られているため、転職回数は厳しくチェックされます。これらの施設では、転職回数が2回以内であることが望ましいとされています。

一方、中小規模の民間病院や慢性期病院では、転職回数に対する見方は比較的柔軟です。3〜4回程度の転職であれば、経験やスキルによっては十分に採用される可能性があります。

製薬会社の場合

製薬会社への転職は、薬剤師の転職先の中でも最も転職回数に厳しい業種です。特に内資系の大手製薬会社では、新卒採用が主流であり、中途採用そのものが狭き門となっています。

転職回数は1回まで、多くても2回以内が許容範囲とされることが一般的です。ただし、外資系製薬会社では転職に対する考え方が異なり、回数よりも実績や専門性が重視される傾向があります。

企業(研究開発・品質管理など)の場合

製薬会社以外の一般企業で働く薬剤師の場合も、転職回数は厳しく見られることが多いです。企業は長期的に働いてくれる人材を求めているため、転職回数が多いと「また辞めてしまうのでは」という懸念を持たれやすくなります。

男性と女性で転職回数の評価は異なるのか

 

転職回数に対する評価は、性別によっても違いがあります。

女性薬剤師の場合

女性薬剤師の場合、結婚、出産、育児、配偶者の転勤といったライフイベントによる転職は、やむを得ない事情として理解されやすい傾向があります。これらの理由であれば、転職回数が多少多くても大きな問題にはなりにくいでしょう。

実際に、産休・育休制度の利用や時短勤務への変更などに伴う転職は、採用側も十分に理解していることが多く、面接で丁寧に説明すれば不利になることは少ないです。

男性薬剤師の場合

男性薬剤師の場合、女性と比べると転職回数はよりシビアに評価される傾向があります。男性は家庭の事情で長期間休職することが少ないため、採用側は「職場の中心となって長く働いてほしい」という期待を持っています。

そのため、短期間での転職の繰り返しは、「忍耐力がない」「協調性に問題があるのでは」といったネガティブな印象を与えやすくなります。男性薬剤師は、キャリアアップや専門性の追求といった明確な理由がない限り、転職回数は最小限に抑えることが望ましいでしょう。

転職回数が多いことで生じるデメリット

 

転職回数が多いと、様々なデメリットが生じる可能性があります。

書類選考で不利になる可能性

転職回数が多いと、書類選考の段階で落とされるリスクが高まります。採用担当者は職務経歴書を見て、「この人はすぐに辞めてしまうのでは」と判断する可能性があるためです。

特に応募者が多い人気の職場では、転職回数を理由に機械的に足切りされることもあります。そのため、書類選考を通過するためには、転職理由を職務経歴書に簡潔かつポジティブに記載することが重要です。

面接で転職理由を深掘りされる

転職回数が多い場合、面接では必ずといっていいほど転職理由を詳しく聞かれます。その際、説得力のある理由を答えられないと、採用担当者の不安を解消することができません。

「人間関係が悪かった」「給与が低かった」といったネガティブな理由をそのまま伝えると、「うちの職場でも同じ理由で辞めてしまうのでは」と思われる可能性が高くなります。

年収アップの機会を逃す

転職を繰り返すと、一つの職場での勤続年数が短くなり、昇給や昇格のチャンスを逃すことになります。通常、薬剤師の給与は勤続年数に応じて徐々に上がっていくため、短期間で転職を繰り返すと、長期的な年収アップが見込みにくくなります。

また、退職金制度がある職場では、勤続年数が短いと受け取れる退職金の額も少なくなります。生涯年収で考えると、転職回数が多いことは大きなデメリットとなる可能性があります。

キャリアの一貫性が失われる

転職回数が多く、しかも転職先の業種がバラバラだと、キャリアに一貫性がないと見なされることがあります。「この人は何がしたいのか分からない」「場当たり的に転職しているのでは」と思われると、専門性が評価されにくくなります。

キャリアの一貫性がないと、スキルや経験が断片的になり、市場価値が上がりにくいという問題もあります。

転職回数が多くても転職を成功させる5つのポイント

 

転職回数が多い場合でも、適切な対策を講じることで転職を成功させることは可能です。

ポイント1:転職理由をポジティブに変換する

転職理由がネガティブなものであっても、できる限りポジティブな表現に変換することが重要です。採用担当者に前向きな印象を与えることで、「この人なら長く働いてくれそう」と思ってもらえる可能性が高まります。

たとえば、「人間関係が悪かった」という理由は、「新しい環境で新たな挑戦をしたかった」「チーム医療をより積極的に実践できる職場を求めていた」といった表現に変えることができます。

また、「給与が低かった」という理由は、「自分のスキルや経験を正当に評価してくれる職場で働きたい」「より高い目標に向かって努力できる環境を求めている」などと言い換えることができます。

ポイント2:キャリアプランに一貫性を持たせる

過去の転職を振り返り、それぞれの転職がどのようにキャリア形成につながっているのかを整理しましょう。一見バラバラに見える職歴でも、「患者さんへの総合的な医療サービス提供能力を高めるため」「薬剤師としての専門性を多角的に磨くため」といった一貫したストーリーとして語ることができます。

採用担当者に「この人の転職は計画的で、キャリアアップのための必要なステップだったのだ」と理解してもらえれば、転職回数の多さがむしろプラスの評価につながることもあります。

ポイント3:長期的に働く意思を明確に伝える

転職回数が多い人に対して採用担当者が最も不安に思うのは、「またすぐに辞めてしまうのではないか」という点です。この不安を払拭するために、応募先の職場で長期的に働く意思があることを明確に伝えましょう。

具体的には、「御社の○○という理念に深く共感し、ここで長くキャリアを築きたいと考えています」「これまでの経験を活かし、御社の発展に貢献したいと考えています」といった表現が効果的です。

また、過去の転職理由が解消されていることを説明することも重要です。たとえば、「以前は通勤時間が長いことが負担でしたが、引っ越しにより解消されました」「家族の介護が必要でしたが、現在は状況が落ち着いています」などです。

ポイント4:実績とスキルを具体的にアピールする

転職回数が多くても、それに見合う実績やスキルがあれば、採用される可能性は高まります。特に即戦力として活躍できることを示せれば、転職回数のデメリットを十分にカバーできます。

具体的には、「認定薬剤師の資格を取得している」「管理薬剤師としての経験がある」「在宅医療の経験が豊富」「幅広い診療科の処方箋に対応できる」といった強みを積極的にアピールしましょう。

また、転職を通じて得た多様な経験も強みになります。「複数の職場を経験したことで、様々な業務フローに柔軟に対応できる」「異なる環境での経験により、問題解決能力が高まった」などの点を強調することができます。

ポイント5:転職エージェントを活用する

転職回数が多い場合、自分一人で転職活動を進めるよりも、薬剤師専門の転職エージェントを利用することをおすすめします。転職エージェントは、以下のようなサポートを提供してくれます。

まず、転職回数が多くても理解のある企業や、人物重視で採用を行っている企業を紹介してくれます。また、履歴書や職務経歴書の書き方をアドバイスし、転職回数が多いことがマイナスにならないような表現方法を教えてくれます。

さらに、面接対策として、転職理由の答え方や自己PRの方法を指導してくれます。中には面接に同行してくれるエージェントもあり、その場で適切なフォローを入れてくれることもあります。

転職エージェントは企業の採用担当者とも良好な関係を築いているため、事前に転職回数の多さについて説明し、理解を得る交渉をしてくれることもあります。

転職を繰り返さないために今できること

 

これ以上転職回数を増やさないためには、次の転職を慎重に考えることが重要です。

自分の希望条件を明確にする

まず、自分が何を求めて転職するのかを明確にしましょう。給与、勤務時間、職場の雰囲気、仕事内容、キャリアアップの機会など、優先順位をつけて整理することが大切です。

すべての条件を満たす職場を見つけることは難しいため、「これだけは譲れない」という条件と、「できればこうであってほしい」という条件を分けて考えましょう。

職場の情報を徹底的にリサーチする

転職後のミスマッチを防ぐためには、応募前に職場の情報を徹底的にリサーチすることが不可欠です。求人情報だけでなく、可能であれば職場見学を申し込み、実際の雰囲気を確認しましょう。

また、その職場で働いている薬剤師や、以前働いていた人の口コミを調べることも有効です。転職エージェントを利用している場合は、職場の内部事情について詳しく教えてもらうこともできます。

短期的な不満だけで転職を決めない

一時的な不満や感情的な理由だけで転職を決めると、後悔する可能性が高くなります。今の職場に不満がある場合、まずはその問題が解決できないか考えてみましょう。

上司や同僚とのコミュニケーション不足が原因であれば、話し合いによって改善できるかもしれません。業務内容に不満がある場合は、配置転換を希望できないか相談してみることも一つの方法です。

多様な働き方を検討する

正社員として働くことだけが選択肢ではありません。パートやアルバイト、派遣薬剤師として働くことも検討してみましょう。

特に派遣薬剤師は、複数の職場を経験しながら自分に合った環境を見つけることができます。派遣で働いた後、気に入った職場があれば正社員として転職することも可能です(紹介予定派遣)。

また、パートやアルバイトとして働き始め、職場の雰囲気や働きやすさを確認してから正社員を目指すという方法もあります。

まとめ

 

薬剤師の転職回数については、年齢や転職先の業種によって許容される回数が異なります。一般的には、20代で3回以上、30代で4回以上の転職があると多いと見られる傾向がありますが、転職理由や経験、スキルによっては問題にならないこともあります。

転職回数が多い場合でも、転職理由をポジティブに変換し、キャリアに一貫性を持たせ、長期的に働く意思を明確に伝えることで、転職を成功させることは十分に可能です。また、実績やスキルを具体的にアピールし、薬剤師専門の転職エージェントを活用することも効果的です。

次の転職を最後の転職にするためにも、自分の希望条件を明確にし、職場の情報を徹底的にリサーチし、慎重に判断することが大切です。転職回数が多いことを不安に思わず、これまでの経験を強みに変えて、理想の職場を見つけましょう。

薬剤師専門の転職支援サービスなら、転職回数が多い方でも安心してご相談いただけます。経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの経歴を最大限に活かせる職場探しをサポートいたします。履歴書・職務経歴書の添削から面接対策まで、内定獲得まで徹底的にサポートいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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監修 薬進キャリアサポート代表エージェント
キャリアコンサルタント

田井 靖人

2013年摂南大学法学部を卒業後、不動産業界で土地活用事業に従事。
2019年から医療人材業界へ転身し、薬剤師と医療機関双方に寄り添う採用支援に携わる。
現在は薬剤師が“自分らしく働ける環境”を広げるべく、現場のリアルやキャリアのヒントを発信。 座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。どんな経験も糧に変え、薬剤師の未来を支える言葉を届けている。

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